こんにちは、株式会社エナジー代表の立花真由美です。
私は大阪市福島区にて、セレクトショップ「aloha」をはじめ、複数の店舗を運営しています。
お客様の状態や状況に合わせて、その場で自分で考え柔軟にサービスを行うことは、顧客満足度にも通じる大切なことです。
ただ『自分で考え行動する』と言葉にするのは簡単ですが、実際に行うことにはハードルを感じる人もいるでしょう。
そんな人をどんな風に導けばいいのか。
本記事では前回に引き続き、福島文次郎さんの「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」の内容を紹介しつつ、『自信を持つこと』と『自主的にお客様にサービスをすること』にスポットを当ててお話ししていきます。
自信を持たせるためには近しい人からのフィードバックが重要
接客に大切なマインドを学んだからと言って、自信を持ってサービスを行えるわけではありません。
大切なのは普段から相手とともに働き、そばで様子を見ている身近な先輩や上司からの細やかなフィードバックです。
alohaをはじめ、株式会社エナジーが運営する店舗で大切にしていることがあります。
それは、まず相手の良いところを伝えてから改善点を話すこと。
例えば「さっきのお客様、すごく話しやすい方ですねって言ってたよ。あともう少し笑顔が増えたら満点!」など。
まず良いところを伝えることで『自分の接客は喜ばれていたんだ』というお客様と接する喜びを感じるきっかけづくりをします。
そのうえで、さらに接客がより良くなるアドバイスをすることで、次にお客様の前に出るとき言われたアドバイスを活かそうと思えるのではないでしょうか。
課題があることは伸びしろがあるということ。
しかし、課題ばかりを伝えられると何から改善していけばいいか分からなくなる上に、自分の仕事に自信が持てなくなることもあるでしょう。
株式会社エナジーを立ち上げ、スタッフとともにお店を良くしようと試行錯誤する中で思ったことがあります。
それは自分が抱えてる人間関係の悩みや健康状態、職場環境まで知ってくれている、関係の深い人からの寄り添った言葉は、多少耳が痛いものであってもすんなりと腑に落ちるということです。
「当たり前のことだろう」と思うかもしれません。
けれど、意外と見落としがちな部分だとこれまでの経験から思います。
そのため、仕事に関すること以外でも相手の理解に努めるよう普段から心がけています。
個々に裁量権を与えることで自主性を育む
お客様の前でしっかりと接客ができるよう指導したいという気持ちは分かります。
ただ、行動を1〜10まできっちり教えるだけでは自主性を育てることは難しいのではないでしょうか。
「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」にも書いてありましたが、ある程度スタッフに裁量権を与えることで、自主性は育つと思います。
例えば、高いホスピタリティで有名なリッツカールトン。
従業員に裁量権を与え、お客様が困っていたら上司の許可なく最大2000ドルまで使ってサービスしていいとされているそうです。
事情により食事を早めに切り上げなくてはならなくなったお客様に対し、急遽用意した箱にデザートを詰めてお渡しするなんてこともあるのだとか。
これはお客様に対するサービスを各従業員の裁量に任せているからこそ、できることだと思います。
もし、1つずつ上司に確認を取らなくてはならないなら、お客様にデザートをお渡しすることは難しかったと思います。
もちろん、お客様に使える金銭的・時間的予算には企業ごとに差はあるでしょう。
ただ、リッツカールトンの従業員の方が、目の前のお客様に対して「こうして差し上げたら喜んでくれるのでは?」と想像するきっかけとなるのは、各従業員にある程度の裁量を与えていることが原因だと思います。
そして自分が考え行動した結果、お客様に喜んでいただけるという経験が自主性を身に着ける近道と言えるのではないでしょうか。
株式会社エナジーのスタッフの自主的な行動で事業が加速している
冒頭にも書いた通り、株式会社エナジーは複数の店舗を運営しています。
セレクトショップにエステサロン、キャリアコンサルティング…。
それぞれに自慢のスタッフがおり、誰一人として欠かせない大切な存在です。
ただ、私がスタッフに対して細かく指導する機会は少なくなってきています。
もちろん、株式会社エナジーとしてお客様にお届けしたいサービスや想いは共有するようにはしています。
けれど今、実際にスタッフに対して良いところは褒め、課題に対して丁寧にアドバイスしてくれているのは、alohaをはじめとした各店舗の店長たちです。
こういう土壌をつくるためには、今回お話ししたことをコツコツ継続することが大切だと思います。